みなさま、オハコンバンチワ。ペロでございます。
今日はとんでもない問題作、「デスコ」をみなさまにお勧めしたいと思います。
※エログロな表現が含まれますので、苦手な方はお気をつけ下さい。
デスコ完結についてこちらの記事で追記しました。
「デスコ」はカネコアツシ氏史上、最高傑作かも知れない。
「デスコ」あらすじ
【デスコ】
— カネコアツシ (@kaneko_atsushi_) 2014年10月24日
「この世界のぜんぶが嫌い」
謎の組織ギルドに属する殺し屋「リーパー」。そのひとり、「殺し以外は何ひとつ出来ないクズ」Super SICKな少女“デスこ”の物語〜!
いよいよ10/25発売!もう店頭に並んでいる所も! pic.twitter.com/LhhpANeE5i
とんでもない悪を「収穫」と称して始末していく殺し屋集団「リーパー」。そこでは誰もが賞金や殺人の快楽を求め、我れ先と標的に群がる。その中でも異様に存在感を示す少女「デスコ」。過去の凄腕殺し屋「マダムM」に飼われながら、自作のハイテク武器を縦横無尽につかい、自分の内なる不安に溺れつつターゲットを始末する事に固執するその姿は悲しくも美しい。
デスコはもう映画みたい!
ほら、この動画でもう映画っぽいじゃんね!
次々と登場するキャラクターも魅力的ですが、何と言ってもコマ割りや見せ方が映画のようにぐいぐい先へ先へ進めてくれます。
デスコを読むのであれば断然Kindleよりも実物のコミックがオススメ。
見開きの瞬間の「でーすーこー」はもう圧巻です。
カネコアツシ氏の絵の力はマジでスゴい。「和風アメコミ」などと称されますが、唯一無二なこの画風は部屋中に貼りまくりたいほど素敵です。
デスコでも垣間見える「日常と非日常」
よくカネコアツシ氏の代表作「Bambi」と比較されますが、「Bambi」は「日常の中で際立つ非日常」だったのに対し「デスコ」は「非日常の中での日常」になっており、とにもかくにもメチャクチャです。
一巻から続々と出てくる「リーパー」の殺し屋達は、それぞれ思い思いのコスチュームを身にまとっているのですが、さすがカネコアツシ先生!とびきりポップなアメリカンホラーなキャラクターが、世界観をガッツリ作り込んでいってくれます。
この世界観が「日常と非日常」の境目を見事に消し去って、デスコの異様さや怒り、悲しさが浮き彫りになって行きます。
デスコの中の不条理と真理
そして、カネコアツシ氏の真骨頂である「不条理と真理」が飛び抜けてこのデスコでは表現されております。
「BAMBi」では、指名手配され狙われまくるバンビの痛快な行動や言動に、「日常」側のキャラクターやボクら読み手が「うーむ」と唸るものがありましたが、この「デスコ」に至っては、もうのっけから「この世界の全てが嫌い」というスタンスでターゲットを始末していくデスコの言動に、「非日常」側のキャラクターですら理解できないというハチャメチャな状況。
様々なキャラクターの「信念」や「感情」を『デスコの知ったことか』で不条理に次々となぎはらっていく様は一見理解不能に感じますが、自分の欲望のままに忠実なデスコを見ていると、どこか羨望に近い憧れが気持ちの中に湧き上がって来ます。
自分の一番大切なものに比べたら、それ以外のものを『知ったことか』で一瞥してしまう、デスコのとても純粋でドブネズミのように不器用な姿はなんだか美しく見えて来ます。
デスコは代表作「BAMBi」と何もかもが真逆
「BAMBi」がピンクを主体としていたのに対し、デスコはモノクロ。
「BAMBi」は殺しが目的の手段だったのに対し、デスコは殺しが目的。
「BAMBi」が狙われる側のであったのに対し、デスコは狙う側。
「BAMBi」が痛快爽快なおてんば娘だったのに対し、デスコはメンヘラ。
「BAMBi」は傷を負わずに颯爽と敵を殺すのに対し、デスコはボコボコにやられ不恰好になりながらも標的を殺します。
「BAMBi」に比べ、人間っぽい弱い部分を抱えながら、自分の欲のために不恰好に周りに噛みつき暴れまわる、捨てられた子犬のようで常に悲しさを身にまとっているデスコに、3巻まで読んでしまったらもう骨抜きになってしまいます。
デスコのギャップに胸キュンです
もうデスコは超がつくほど情緒不安定。
こんなハイテンションで弱ったターゲットにだめ押しするときもあれば
次の日はこんなに弱ったダメな子になっちゃいます。
素顔はこんなに可愛いです。
どうだ!メンヘラ好き男子!!
もう胸にグっと来ちゃうだろ!
デスコが五巻で怒涛のように勢いづく!
正直、四巻までは「あー、ジェットコースタームービーみたいで頭空っぽで読めていいなぁー」と思っていたのですが、五巻で怒涛の進撃を見せ始め、デスコがマダムに飼われている理由、マダムの過去、デスコの狂気的な殺しへの渇望、そして登場人物の関係性が一気にストーリーの中心に現れはじめ、一気に深みが出て来ます!
デスコとかバンビってサイコパスじゃね?
これさぁ、サイコパスじゃない?
と、ふと思いましたが、いかがでしょう。どうなんでしょう。
最近パートナーがこちらの記事でサイコパスについて書いていたのですが
この自分の目的や、やりたい事に関して一切のブレーキが無い感じ。常に低い心拍数。いきなりバシッと言い放つ真理。
うーむ。どうなんだ。
デスコはこんな人にお勧め
デスコはこういう作品が好きな人に超お勧めします。
タランティーノ監督の作品が好きな人
大友克洋氏の初期作品が好きな人
北野武映画が好きな人
もうこのうちのどれか二つでも当てはまったら問題ないと思います。
是非買って下さい。
デスコのカネコアツシ先生だけ今度まとめたいな
カネコアツシ氏の作品はほぼ全部読んでいて、「実際に会えたら泣いちゃう漫画家TOP3」のうちの一人なので、今度ガッツリまとめてみたいと思います。
こうやってデスコ描いてるんだって。
Work in progress.#deathco #ipadpro #MediBang pic.twitter.com/kOC4hbBFGi
— カネコアツシ (@kaneko_atsushi_) 2017年1月10日
すごくない?
コミックビーム2月号、発売中!
— カネコアツシ (@kaneko_atsushi_) 2017年1月13日
『デスコ』は35話目!
ディービル編のラストにして、新たなエピソードの序章!
どびっくり必至の展開を刮目して読め!いや、読んで下さい、すみません、お願いします! pic.twitter.com/7cT5X3Ehdx
あー!!!次の巻が超たのしみー!!!