どうもみなさん、オハコンバンチワ。ぴぃでございます。
飯間浩明氏がTwitterで発達障害にとって非常に「ハッ!」とさせられるツイートをなさっておられました。
そこからボク的にざっくりまとめると、会話が通じない理由はこの4つのポイントです。
1.装備不足
2.変化の杖を振ってしまう
3.一人だけルーラ
4.インパスが使えない
飯間浩明氏がTwitterには、発達障害を持っている人に取っては「あ!あれってそう言う意味だったの?!」となる会話例も上がっており、ボク自身も「この会話どこがおかしーの?」とわからないものもあって本当に目からウロコ。
後半の会話になればなるほど「あらやだアタシそのまんま」の内容に、飯間浩明氏が簡潔に原因を教えてくれます。
飯間浩明氏とは
日本の日本語学者・辞書編纂者。『三省堂国語辞典』編集委員。
早稲田大学第一文学部卒業後、同大学院文学研究科博士課程単位取得。専門は現代日本語。修了後、アルバイトとして三省堂の辞書編纂に携わった後、第六版より『三省堂国語辞典』の編集委員を務めるほか、早稲田大学・成城大学などで非常勤講師を務めている。
会話が通じない理由1.装備不足
ことばというものは通じないものです。あなたの頭の中で考えたことを、100%相手に理解してもらうことはそもそも不可能。それでも、何とか伝える方法を考えたい、というのが私の希望です。ただ、社会生活上、「ことばが非常に通じにくい人」を見極めることも必要です。その判断基準を挙げてみます。
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2017年1月5日
ことばが通じない人(1)語句を理解しない
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2017年1月5日
例1)
A「ボルダリングやってます」
B「何ですかそれは」
例2)
A「時系列で考えてみましょう」
B「時系列とは?」
※双方の持つ語彙(の量)が大きく異なる。話し手は、相手に分かる語句を用いるべきですが、語彙の隔たりが大きいと大変です。
単純に「知っている言葉の量」の違いによって会話が通じない。という状況です。
これは『その言葉の意味はなんですか?』という会話のキャッチボールで解決です。
ボクらでも解決出来る範囲の「通じない」ですね。
会話が通じない理由2.変化の杖を振ってしまう
ことばが通じない人(2)語句の意味の理解が不正確
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2017年1月5日
A「うちの親、たびたび電話してくるのよ」
B「毎日は迷惑だね」
A「毎日じゃないんだけど」
B「『たびたび』って言うから毎日かと思った」
※語句の意味を自己流に解釈する。「言ってないことが言ったことになる」のはこのパターンです。
この会話はむづかしいっす。ボクに置き換えても
A「たびたび」という言葉の意味を=「毎回、毎日」と理解を間違ってしているパターン。
B「たびたび」という言葉が耳から入って来て、脳みそに到着している頃に「毎日」という言葉に変身しているパターン。
などが起きてしまいよく相手を困惑させてしまいます。
このツイートの場合はAのパターンですが、同じ会話で間違いの内容が違うBのパターンもあるので相手の人にとっては
「コイツの言ってる事マジでチンプンカンプンだな!」とメダパニを唱えられている気分でしょう。
会話が通じない理由3.一人だけルーラ
ことばが通じない人(2')文脈的意味を理解しない
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2017年1月5日
例)
A「最近つくづく思うけど、サンタクロースっているよね」
B「何言ってるの。あれはあくまで伝説で…」
※語句がその文脈でどんな意味合いで使われたかを理解しない。Aの言う「サンタクロース」の意味合いをBは理解していません。
これも超ハードです。
「最近つくづく思うけど」この部分をしっかりキャッチして考えないと
一人だけルーラを唱えてどっか違う町に行っちゃいます。
マジでこの会話どうしていいかわからなくて困り果てていたのですが、実は「サンタクロースっているよね」の言葉の意味はこのようなモノがあるようです。
@yozakura_snake @s_k_2__ @IIMA_Hiroaki 「サンタクロース」は、ここでは比喩としての表現。「サンタクロース的な存在」を表してますよね。「サンタクロース的」とは「子供喜ばす」「ファンタジー」「クリスマスだけに現れる」「社会に奉仕する」などなど。
— Niiya Toshiyuki (@white319) January 5, 2017
難易度たっけ!
ボクはこういう会話のときは「うんうん、それで?」と相手の会話を全部聞く事にしています。
そして、全部聞いた上でわからないところがある場合は「あのさ、あそこの◯◯なんだけどあれ、どういう意味?」と質問をして会話を全部理解する。
これを意識してやる事で「会話を切って割り込む」事も無くなりますし、メダパニの唱える回数が単純に減ります。
会話が通じない理由4.インパスが使えない
ことばが通じない人(3)表現意図を理解しない
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2017年1月5日
例1)
A「では、そのうち飯でも」
B「来週ですか再来週ですか」
例2)
A「これ、お土産の香水」
B「私が臭いと言いたいの」
※相手がどんな意図で言ったかを把握するのは難しい。この種の行き違いが多い相手とは距離を置くのも一方法です。
もう身に覚えがありすぎて困っちゃう。
「相手の言葉の意図」をまったく汲めずに言葉だけで会話をしてしまう。
「相手の言葉の意図」を自分で勝手に歪曲して言葉を口から飛び出させてしまう。
A「では、そのうち飯でも」
B「来週ですか再来週ですか」
これなんてもう、どうしたらいいの!?ってなっちゃう。
(※前ツイート、ちなみに、「そのうち飯でも」は、「また会いましょう」程度の挨拶ことばであるのはご存じのとおり。ただし、無責任になりやすいので、私は使わないようにしています)
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) 2017年1月5日
とありますが、「ふんふん、そういうことだったのね!」と思い
気軽に「いいですね!そのうち是非!」なんて言ってると
「それでは来週あたりいかがですか?」なんて言われちゃって
「マジのやつだったのかよー!超いきたくねぇ!」
なんて事もざらです。
解決策は無いのかい?
長々書きましたが、この会話の全ての原因は
「相手の言いたい事、伝えたい事の真意がわかっていない」事です。
発達障害の人を含め、もともと言外の意味を理解するのが苦手な人は多く、相手側に配慮が必要な場合もあります。言外の意味というのは、一部の表現を除き、辞書にも記述しにくく、厄介なのは確かです。私自身も「言外の意味辞典」があれば欲しいと思いますね。
— 飯間浩明 (@IIMA_Hiroaki) January 5, 2017
なんだかんだ言っても、上記のようなパターンと全く同じ会話が出てくる事なんて生きてるうちにあと2.3回しかないでしょう。
コミュニケーションが苦手な発達障害を持つボクらとしては、これをその通りに理解して使うなんて難儀なテクニックですよ。
ボクがやっている事は
1.相手の話を最後までゆっくり聞く。
2.その上でわからなかった事は質問をする。
3.「メダパニった!」と思ったら「ごめん、勘違いして◯◯っていっちゃた!本当はこういうこと?」と謝って真意を聞く。
これくらいです。
たくさんの会話例やコミュニケーション方法が本やネットであふれていますが、その一つ一つを読んで「へー!そう言う事ね!」と仕組みを理解するのは大序な事ですが、その一つ一つに振り回されず、「相手の言いたい事、伝えたい事の真意をキャッチする」ことを根本において会話をするように心がけましょう。
「小手先のテクニックで失敗しない為の会話」よりも、「相手を理解しようとする会話」がコミュニケーションを良くする第一歩です。